さて続き。
前回の投稿で主張したのはアスベスト被害の救済に格差があるということ。
そしてリゾートトソリューションのアスベスト問題の社会的な説明はクボタに比べておろそか、ということ。
Kさん例の続き
Kさんの旦那さんの病気の発見、病状は以下のような経過をたどりました。
1996年(平成8)7月くらいから風邪をひき、咳がとまらなくなった。その2、3年前から咳が頻繁に出ていた。1996年8月16日に大宮の某病院を受診。「肺がぼろぼろ」と医師に言われる。肺がんとはこの時点では告知されていなかった。それ以前の8月の最初くらいに海に遊びにいっていたことを告げると、「よくこの身体で海にいけたな」とも言われた。のちにわかったことだが、初診時のカルテに「間接ばくろの疑いあり」と記載されていた(間接ばくろ、については後で説明なう!)。実は初診日の4、5年くらい前に家族で行った山登りのときから息が苦しそうだった、とKさん。同年9月20日ごろ同病院に検査入院。肺がんの可能性があると指摘される。
同年12月末に、はじめていく東京の某病院を受診(なお、これ以後は東京の同病院を継続受診)。ここでの検査の結果、リンパにも転移しており手術はできないと告げられる。この時点で「肺がんか中皮腫(ちゅうひしゅ)」といわれた。12月の診断結果後は1カ月に1回くらい通院。その間も仕事は続け、職場のあった東京・荒川まで通っていた。1997年の5月の連休明けからは2、3日に一回は放射線治療をしていた(左の肺にがんがあると指摘されていた。左わきの下からかたいものがでてきていた。そこを放射線治療していた。痛みがすこしやわらぐ感じがあったので継続)。
同年6月4日に通院すると心臓に水がたまっていることを指摘される。この時点から死亡まで入院。同年9月27日死亡。死亡診断書には「肺がん」と書かれていた。
上記のとおりKさんの旦那さんは1997年に死亡しました。そこで、「間接ばくろ」のことを説明だう!ちなみに「ばくろ(曝露)」とは何かの物質を吸引するようなことを指します(悪い意味合いで使用される)。
前回の報告にも記したように旦那さんの父親は20数年間アスベストを扱う工場で働いていました。
でも、この旦那さんは働いていない・・・。
関連があるとして疑われるのは、父親が作業現場から持ち帰ってきた作業着にアスベストが付着していて、それを洗濯前に何らかの形で接触したか、洗濯作業時に接触したか、その結果アスベストを吸引したことが考えられます。実際に同様の事例は全国各地で起こっていて(だから家事をしていた女性にも被害者がいます)、Kさんによれば旦那さんは「義父が作業で使ったマスクを家に持ってきて、風呂敷に入れて廊下においていたものを幼少時にふざけて着用していた経験がある」とのことです。
本人は仕事で直接アスベストを扱っていないけど、家族などがアスベストを扱っていて何らかの形をとおして被害にあうケースを「間接ばくろ」とこの業界では分類しています。
ちなみにその他のばくろの種類、アスベストを仕事で直接扱っていた「直接ばくろ(職業ばくろ)」、本人や家族はアスベストを扱っていないのに居住地や通勤先にアスベスト工場があり、そこから大気中に放出されたアスベストを吸引してしまった「環境曝露」(場合によっては「近隣ばくろ」ともいいます。工場が家からものすごく近かった場合など)があります。
続きはまた。
Kさんの旦那さんはアスベストを直接あつかっていないのにアスベスト被害で40代にして亡くなった、ということだけ押さえておいてください。

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