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2010年6月10日木曜日

日本と戦争

すでに日付が変更されてしまいましたが、昨日のNHKクローズアップ現代で「イラク戦争を問うー英国・検証の波紋ー」が放送されていたのでみることにしました。

ざっと内容を説明すると、アメリカ主導のイラク戦争にイギリスはフランスやドイツが反対する中、国連安保理の承認がないまま無批判に軍隊を派遣してしまった。イギリス軍では200名近い軍人の死亡や莫大な税金が使用された。昨年(2009年)からイラク戦争突入に至った経緯を検証するため(決して特定の個人の犯罪性を問うものではなく)、独立調査委員会をたちあげて当時の首相や政府意思決定に関わった関係者から公開で聞き取り調査をおこなうなどの作業がなされている。それらはインターネットサイトにおいてすべて公開され、すでに80人以上からの聞き取り調査をしている。それらも含めた調査結果報告は早ければ年内に出される予定である、というものでした。

2001年9月、私は中学3年生でした。当時、放送していたタモリのジャングルテレビ(だったかな?)をみていると突然、映像が変わって、飛行機がビルに追突している映像が流れました。しばらくすると別の飛行機がさらに追突。あのときの私は9・11の衝撃よりも、観賞途中だったテレビ番組がいつ再開するのか、再放送はあるのかということの方で頭がいっぱいでした。それから世界はしだいにさわがしくなって、2003年にアメリカがイラクに空爆を開始。私はテレビでみていたと思います。
ただ、いずれも事の重大性がわからず、「よくわからないけど何か結構たいへんなことが起きているんだな」という程度の認識だったと思います。

大学に入り、お世話になった教授が口を酸っぱくして「戦争」に対する認識を深めるように言っていたことから私は9・11やイラク戦争をはじめ、日本の第二次世界大戦を考えるようになりました。教授は単に左翼的な思想から過去の戦争体験などを観念的に学び護憲などの意味を学生に学ばせるといった類の指導ではなく、現代においてもあふれている戦争へ進みかねない要素があり、そのような要素を感じ取る能力を過去の経験から学ぶ大切さを説かれていたのだと思います。
確かに「憲法9条を守ろう」といった類のスローガンは間違っていないし、私も同じ意思を持っていますが、それを声高に叫んでいるだけでは思考停止状態に陥り、敏感さに欠ける危険性があると思っています。

さて、私が今日のクロ現(NHKの記者さんはこのように略すのです。)を取り上げたのは、日本では何らイラク戦争への関与に関する公的な総括(言葉が古いですかね?)がなされていないことの不満があるからです。私は専門家ではないですから、イラク戦争の経緯や日本の関与に精通しているわけではありません。ただ、間違いなく日本はイラクに自衛隊を送りアメリカ軍の兵士を戦闘地域などに移送し、昨年も話題になっいたアメリカ軍へのエネルギー供給などを事の本質を顧みず無批判におこなってきた事実があります。イラク戦争への加担の重大性を十分に検討することなく当時の小泉首相はアメリカに手を貸した、と認識しています。

私はどんな形にしろ日本がイラク戦争への間違った関与をしたことは明らかだと思いますが、それが多くの国民の、また多数の国会議員の認識だと思いますが、私の知る限り検証作業が公的に日本ではおこなわれていません。
沖縄の普天間基地移設問題の際にも、現在に至っても日米安保の問題が国会で真剣に議論された経過がありません。アメリカの番犬となって世界の戦争に関与してきた約半世紀の検証をしていかなければ、日米安保を真剣に考えていかなければ、日本は再び大きな過ち(私は第二次世界大戦における日本政府の方針を批判する立場です)を犯す危険性があります。

戦争検証をできるチャンスはいまの政治情勢で十分にあると思います。政治家任せにせず、国民の意思を政治に反映させるよう一人ひとりが頑張りましょう!

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